モルタル造形とは


モルタル造形とは、モルタルを建物の壁や塀などに、左官ごてを使って塗り、それが乾くまでに擬木や擬石、レンガなどの形に彫刻し、エイジング塗装を施すことによって、石積みの壁や古いレンガなどを再現する技術のことです。
「デザインコンクリート」や「モルタルアート」「モルタルデコ」などと呼ばれることもあります。

日本では、有名テーマパークをはじめ、全国の動物園や公共施設、都市部の店舗デザインにも採用されています。今日では、一般住宅の外壁や庭のデザインにも施工されるようになったモルタル造形。
門柱や小さな小屋などにDIYでモルタル造形を施す方も増えてきています。

モルタル造形のドア

モルタル造形における特徴的なポイント

現在、モルタル造形は広まってきているのですが、一般的には、この施工を行っているのは一部の工務店や設計事務所といった建築のプロです。
テーマパークなどではこれまでも広く使われていたモルタル造形ですが、広まってきたとはいえ、そこまでメジャーなわけではありません。
新築やリノベーションなどの際の外壁材としては、現在はバリエーション豊富な外壁材が存在するので、そちらの方が建材としてはメジャーです。ただ、モルタル造形には、特徴的で、とても優れたポイントがあります。
 
それは、

・独特なデザインを表現できること
・デメリットが少ないこと

です。
 
モルタル造形には、重量があるという一面もありますが、そのほかにあまりデメリットはありません。独特なデザインを表現できることは、モルタル造形のもっとも特徴的なポイントです。
最近は、DIY向けのモルタルも手に入れやすくなったので、一般の方でもモルタルの魅力を取り入れたDIYができるようになりました。
モルタル造形は、その深みのある魅力から、デザインに拘りがある女性にも人気です。モルタルを使ってDIYをする女性も増えています。

モルタル造形の壁

日本におけるモルタル造形

日本におけるモルタル造形は、ディズニーランドが日本にやって来たときに持ち込まれたとよくいわれます。ディズニーランドをはじめとするテーマパークでは、建物のエクステリアにもインテリアにもモルタル造形が使われていますが、実は日本には、古くからモルタル造形が存在していたようです。
 
皆様、漆喰はご存じかと思いますが、この漆喰は、建物を飾る造形物として昔から使われていました。こてを使用して漆喰を盛りながら作る芸術的な造形物は、まさしくモルタル造形と呼べるものだと思います。
ただ、現在のモルタル造形は、これと比べるとやりやすいことは間違いありません。
 
現在のモルタル造形は、モルタルを一定の量盛ってから削って仕上げます。もちろん技術は必要ですが、こてを使って繊細に仕上げるというようなものではありません。それがDIYなどにも取り入れられるようになってきた理由のひとつではないでしょうか。

モルタル造形の石積みの壁

モルタル造形に適した下地

モルタル造形は、基本的にモルタルを塗ることが可能な下地であれば施工可能です。一般的なのは、セメントブロックやモルタル用パネル、コンクリートなどでしょう。
この技術は、擬木や擬石、擬岩など、造形する形によって、モルタルの塗厚を決めるため、デザインによっては10mmほどでも施工は可能です。しかし、モルタル造形の醍醐味である、劣化して割れた岩や崩れかけたレンガ積みの壁など、有名テーマパークのようなデザインを再現するには、20mm以上の厚みが必要になるため、塗りつけるモルタルの重量に耐えられる下地を作ることがモルタル造形の第一歩になります。
 
当然、重量物の施工になり、モルタルが落下しないように注意しなければなりません。あり合わせのパネルなどを利用して施工してしまうと、そのパネルごと落下してしまいます。丈夫な下地を使用したとしても、組み合わせによってはモルタルの重さに耐えられない場合もあるので注意しなければなりません。このような事態を防ぐには、モルタル造形の施工経験がある職人から、正しい下地処理の方法などを講習により学ぶ必要がある、ということになります。
 

下地に使用する材料

使用する下地用の材料は、国内産や海外の特殊な下塗り材料などの中から、下地に合わせて選定します。モルタル造形には、割れにくく、剥離落下しない材料が求められます。
 
テーマパークなどでよく見かける、洞窟や大きな岩、大木などには、欧米で定番化しているEPS(発泡スチロール)で下地を形成する工法が使われています。また、下地の段階から鉄筋の溶接によって形を作り上げて、その下地の上からモルタル造形を施す工法もよく使われています。
 
当店のモルタル造形の講習は、基本は平面ですが、造形に慣れてきた方や真剣にプロとしてモルタル造形を学びたい方には、鉄筋で下地(リーバー)を作る方法や、EPSで大きな岩を作る方法などもレクチャーします。
モルタル造形の下地について 

下地を疎かにすると壁が壊れる可能性があります

モルタル造形の彫刻

塗りつけたモルタルを彫刻(カービング)する際も、作りたいものにより、柔らかい状態から削り出したり、ある程度、固まりだしてから彫刻を開始したりと、モルタル造形の彫刻の方法は、正解がないといわれるほどにたくさんあります。
 
モルタル造形に使われるモルタルは、造形用に開発されている専用のモルタルを使用すると、固まるまでの時間が長く、厚みをつけても垂れがなく、彫刻性能にもこだわっているため、かんたんに作りたいものを作ることができます。
 
当社オリジナルの「TF造形モルタル」は、造形用モルタルとして、全国のモルタル造形をされている職人さんからご支持をいただいています。
 
TF造形モルタルはこちら
 
大きな滝などを作る際は、何度かに分けて施工する必要があるため、造形の方法も少し変わってきます。大作に挑戦されたい方は、前もってご相談ください。特別な大型講習を実施します。

モルタルを彫刻している様子

モルタル造形の塗装

モルタル造形における塗装は、モルタルの彫刻後、乾燥するまで十分に養生期間をとってから行います。
完全に乾燥していることを確認できたら塗装工程に進みましょう。
 
屋外で施工する場合は、雨漏りや紫外線による劣化などに対応するため、モルタルに適した下塗りを施し、中塗りにベース塗料をしっかり2回塗装します。
このベース塗装をしていない施工を一般的に手抜き工事と言われています。
 
その後にエイジング塗装を施し、紫外線耐性や耐候性を持つMBAGクリヤーでコーティングを施すと完成です。
 
内装の場合は雨漏りの心配がないため、ベース塗装などで塗膜の厚みをつける必要があまりありません。現場によっては薄めに仕上げることもありますが、ベース塗装は必要です。
 
下塗りやベース塗装に適した塗料は、日本国内の塗料メーカーさんから出されているもので問題ありませんが、その後のエイジング塗装のやりやすさを考えて、水分を吸い込まない塗料を選ぶ必要があります。
 

エイジング塗装用塗料

エイジング塗装に使用する塗料は、色あせの心配が少ないためプロの作業場で定番になっているターナー色彩のエイジングアートカラーや、シンロイヒのテクアートカラーなどを使用することをおすすめします。
これらは一般的な塗料と比較するとやや高価ですが、有名テーマパークの現場などでプロに使われ続けているだけあり、使ってみるとその理由がわかると思います。
ただ、そこまで耐久性を求める必要のない、DIYでエイジング塗装をされる場合などでしたら、手に入れやすいDIY用の塗料でもいいかと思います。
  
 モルタル造形のツールはこちら
 エイジング塗装の塗料はこちら

モルタル造形の上から塗装している様子

マイホームにモルタル造形も夢ではない

モルタル造形は、すでにご紹介したように、テーマパークや遊園地などでよく使われています。なんとも夢のある世界を創造してくれるモルタル造形は、レンガ、岩や木、建物、街並みなど、さまざまなものに使われており、エイジングから未来的な効果まで出せる汎用性の高さも特徴です。
 
この汎用性の高さは、造形職人にとってはとても魅力的です。ほかの材料では作ることのできない造形、そしてほかの材料では出せない雰囲気も、モルタルなら発泡スチロールなどと組み合わせることで表現できます。
 
失われた歴史的建造物の外観を現在に蘇らせることも、モルタル造形なら可能です。マイホームのインテリアやエクステリアをデザインすることだってできます。この世にひとつだけの家をデザインするのなら、モルタル造形がベストかもしれませんね。
 
そのほか、ショップの内装などにもモルタルは使われています。モルタル造形でもっとも人気のあるデザインはなんだと思われますか?

擬木を再現した作品例

モルタル造形の人気デザイン

 ここからは、人気のあるデザインをご紹介します。まるで本物のような質感を出せるモルタルですが、やはり美しく仕上げるには、技術を身に付けなければなりません。

レンガ

レンガは、モルタル造形の中でももっとも人気のあるデザインのひとつです。ご存じのように、レンガにはさまざまな大きさ・タイプがありますが、モルタル造形なら好きなように作れるという利点があります。レンガは積み方にもいくつかの方法がありますが、やはり自由に表現可能なモルタル造形なら、好みの形に積みやすく作れます。アンティーク風に仕上げれば、ヨーロッパの住居のような味わいあふれる家に仕上げられます。

レンガの作品例

石や岩

石や岩を模したデザインは、モルタル造形の中でもとても人気があります。石積みのようなデザインは、積み方や割り方のセンスですべてが決まるといっていい、実はかなり難しい仕事です。モルタル造形の「表現」という点では、一、二を争う難易度の作業になります。ただ、これができるようになれば、お城の石積みのようなデザインを、外壁や内装に施すことも可能です。

石積みの作品例

樹木や木材

年季の入った木材や樹木を擬似的に再現することも、モルタル造形が得意とするところです。木とはほど遠いモルタルですが、微妙な表現が可能なので、木材や樹木が持つ表情まで再現することができます。とはいえ、これを表現するには、それなりの腕が必要なことは言うまでもありません。

擬木の作品例

カントリーテイスト

樹木や木材を表現することが得意なモルタル造形は、アンティークな雰囲気を出すことにも長けています。朽ち気味の木材やサビがよい雰囲気をかもし出すカントリー。カントリーにもさまざまなものがありますが、カントリーの雰囲気を出したいのなら、モルタル造形を検討してみましょう。雑貨店や喫茶店のインテリア・エクステリアをモルタル造形で仕上げたら、居心地のいいショップになるのではないでしょうか。

カントリーテイストの作品例

コッツウォルズ

コッツウォルズは、イングランドが誇る、美しい自然にあふれる丘陵地帯。石積みのカントリーハウスが広がる静かで美しい村は、ガーデニング好きの間ではよく知られています。このコッツウォルズの世界を再現するのであれば、やはりモルタルがおすすめです。DIY初心者の方でも比較的かんたんに、失敗なく作れるでしょう。

コッツウォルズを再現したデザイン例

モルタル造形は組み合わせが鍵

モルタル造形は、シンプルにひとつのデザインが人気ですが、ほかのデザイン、素材などと組み合わせることで、さらに味わい深い作品作りに役立てられます。はじめたばかりではなかなか難しいと思いますが、イマジネーションを働かせて、こんなことやあんなことができないか考えてみるとよいでしょう。

他の素材と組み合わせた作品例

モルタル造形をはじめてみませんか?

さまざまな場所で使われるようになってきたモルタル造形ですが、一般での利用は、まだまだDIYの域を出ていないのが現状だと思います。
 
住宅の外壁も、サイディングやタイルを使うのがまだまだ一般的です。現状、住宅にモルタル造形を施してくれる工務店や設計事務所は少ないので、本格的にモルタル造形を今、はじめれば、ライバルが少ないので有利にビジネスを進められる可能性があります。
 
モルタル造形のマーケットは、あなたの家の近所だけではありません。国内は当然として、海外からも発注が舞い込むことがあります。
 
モルタル造形は、歴史はあるものの、日本ではようやく認知されてきた段階なので、今、技術を磨き、経験と実績を積み重ねることで、大きなビジネスにつなげられる可能性があります。このチャンスを生かしたい、新たな可能性にかけてみたい、という方は、ぜひ当方のモルタル造形講習を受講してください。

モルタル造形の技術的な話

ここからは、モルタル造形の技術的なお話をします。
モルタル造形には、

  1. 「下地作り」
  2. 「モルタル造形」
  3. 「ベース塗装」
  4. 「エイジング塗装」
  5. 「クリヤーコーティング」

という基本の5工程があります。造形物によっては違う工程もありますが、順にご紹介していきましょう。

下地作り

モルタル造形を行う際に、絶対に省けない工程があります。
これが下地作りです。
モルタル造形の下地は、壁の素材により異なります。
下地用の材料は数多く販売されていますが、ただ単に「下地用」と書かれた製品を選ぶのではなく、本格的な造形に耐えうる下地材を選ぶことが重要です。
モルタル造形で重要なのは、丈夫で重い造形にも耐えられる下地材を選ぶことです。
市販品には軽量のタイル程度にしか使えないものもあるので、このような下地材は避けましょう。
 
モルタルは、素材によっては直接施工することも可能です。しかし、下地処理を必ず行うことにはわけがあります。
造形の重さに耐えられる下地を作るには、ただ下地処理するだけでは足りません。下地材を塗り、さらにメッシュをいれるなどの作業を行うことで、モルタルの剥離を防げます。
 
近年のDIY人気もあり、家庭でモルタルが使われることも増えています。しかし、SNSなどをチェックした限り、DIYの域は出ないものばかりです。
 
職人としてモルタル造形で生計を立てることを考えるのなら、しっかりとした仕事をする必要があります。下地をしっかり作る施工法は、実はメーカーが推奨する施工法なのです。これを無視することは、安全を軽視することにほかなりません。

下地作りの様子

 

・モルタルを練る

モルタルが入ったバケツに水を加えて練り込んでいきます。モルタルと水の割合は、外気温や湿度などの要素で変わるため、はっきりとご紹介することはできません。練り方は人によっても変わるので、このあたりは経験でつかんでもらうしかありません。当方のモルタル造形講座では、モルタルの練り具合についても学べます。
ハンドミキサーにて、ゆっくりと3分ほど練り込んだらモルタルは完成ですが、その後、すぐには使わないで35分程度寝かすことがポイントです。寝かすことで、練っているときにモルタルに混入した空気が抜けていきます。これ以上の時間をおいてしまう場合は、モルタルの状態に注意して使用しましょう。
 

モルタルを練るためのツール

・モルタルを塗る

モルタルは、最低でも10mm以上の厚みにしなければなりません。しかし、一気に塗ってしまってもダメです。薄く擦るようにモルタルを伸ばしながら塗っていくことが重要です。ただ、塗りはじめはしっかりモルタルを定着させなければならないため、下地のくし柄までモルタルが入るよう、ガリガリと音を立てる勢いで塗っていきます。こうしないとモルタルにヒビが入るなどしてはがれやすくなり、大きな事故につながってしまうため、しっかり作業しましょう。これを擦り塗りと呼びます。擦り塗りのあとは、5mm単位でモルタルを重ねるように塗っていきます。

モルタルを塗る様子

・カービング

モルタルを目標の厚さまで塗ったら、そのあとはカービングです。カービングは「彫刻」を表します。ブラシなどのツールを使ってモルタルをかたどっていきます。経験が浅いうちはたくさんのツールを持っていてもあまり役立てられないので、だんだんとそろえていけばよいでしょう。カービングは、造形物により作業をはじめるタイミングが異なります。決まりはありませんが、それぞれ雰囲気を出しやすいタイミングがありますので、そのあたりは講習会に参加してつかんでください。カービングのコツは、あまり手をかけすぎないことです。最初は難しいと思いますが、そのうちできるようになります。
カービングのあとも、やはり十分な時間をおきます。5日程度は乾燥させてから次の工程に移りましょう。

モルタルをカービングしている様子

ベース塗装

造形に続いて行うのがベース塗装です。ベース塗装は、造形物の耐久性を左右するため、ひじょうに重要な工程です。モルタル造形においては、下地作りと同等に重要な工程だと理解してください。
 
外壁などの塗装と同じく、このベース塗装は、造形物を保護する役割も持っています。塗装はヒビ割れなどの発生を防ぎ、中に雨水などが浸入しないように保護してくれます。
DIYレベルではなく、職人として仕事をする場合は、塗装の働きをしっかり理解して、しっかりとした技術を身に付けてください。モルタル造形を極めるなら、絶対にこの作業をおろそかにしてはなりません。
 
ベース塗装では、まずシーラーと呼ばれる塗料を塗ります。このシーラーという塗料は、下地に入り込んで、下地の内部で固まる性質があるものでなければなりません。
シーラーの中には、インテリア専用の外部に膜を張るだけのものもあるので注意しましょう。
モルタル造形では、カチオン系のシーラーを使ってください。
シーラーを塗ったら、その上から外壁用の塗料を塗ります。インテリアに使う場合は1回、エクステリアに使う場合は必ず2回塗ります。こうすることで、造形物にしっかりとした耐久力が備わります。

ベースの塗装の様子

エイジング塗装

モルタル造形は、このエイジング塗装のおかげでさまざまな表現ができるといっても過言ではありません。エイジング塗装は、モルタル造形の表情を左右するとても重要な工程です。朽ち果てそうな木材や、中世のレンガ積みの質感を引き出すには、カービングの技術のほかに、塗装の技術も要求されます。
 
エイジング塗装には、専用の塗料を使用します。テーマパークや遊園地の造形用の塗料が販売されているので、このような塗料を使うと、一般的な水性塗料よりもクオリティの高い仕上げが可能です。
 
DIY用のエイジング塗料もありますが、このような製品は顔料の含有量が少ないため、仕上がりに影響します。プロとしてモルタル造形に関わるなら、必ずテーマパークなどで使われているエイジング塗料を使いましょう。

エイジング塗装の様子

クリヤーコーティング

ベース塗装が造形物自体を保護するものであるのに対し、クリヤーコーティングは色を保護するために施します。クリヤーコーティングには、基本的に水分の浸入を防ぐような効果はないので、造形物を保護するものではないことを覚えておきましょう。
クリヤー塗料の中には、UVカット機能を持つ製品もあるので、このような製品を使えば、塗装を劣化からある程度、防ぐことができるでしょう。紫外線は、屋内にも差し込みますので、造形物を屋外に置く場合だけではなく、屋内に置く場合にも有効です。
しかし、造形物によってはクリヤーを塗らないほうがよい場合もあります。たとえば、写真撮影用のセットなどの場合は、クリヤーを塗ることでフラッシュの光が反射してしまいます。不自然に写ってしまう場合もあるので、造形物の用途によってクリヤーを塗るかどうか考えたほうがよいでしょう。できれば制作前にクライアントにクリヤーありとクリヤーなしのサンプルを見せておくと、違いをわかってもらえると思います。

コーティングの様子

モルタル造形のメンテナンスについて

モルタル造形では、エイジング加工などを用いて、意図的に汚れたような雰囲気を演出します。モルタル造形にはこのような特徴があるので、さらに汚れると、さらに自然な雰囲気になります。そのため、短期的にはモルタル造形にメンテナンスは必要ありません。
ただ、長い目で見るとやはりメンテナンスは必要です。紫外線などの影響を受け、施工から数年もすると塗装が傷みはじめます。再度、クリヤーを塗ることにより塗装を保護することは可能ですが、ヒビ割れなどが見られるようだと大規模な修復が必要になるでしょう。
下地やベース塗装などをしっかり施工すれば、1年で色褪せたり、ひび割れが多数出る心配はありません。
仮にそのような症状が1年程度で出ているのであれば、間違った施工方法の可能性が高いです。

手抜き工事によって割れたモルタルの壁

必須のモルタル造形ツールを少しご紹介

モルタル造形を行ううえで必須となるツールについて少しご紹介します。
 

モルタル

モルタル造形は、モルタルがなければはじまりません。おすすめはもちろん「TF造形モルタル」です。
 

塗料

繰り返しになりますが、モルタル造形で用意すべき塗料は下地保護用の「カチオンシーラー」、ベース塗装用の「外壁用ツヤ消し塗料」、エイジングアートカラーなどの「エイジング塗料」、そしてコーティング用の「クリヤー塗料」です。
 

ハケと左官ごて

ハケは塗装作業の際に使います。さまざまな種類のものがありますが、モルタル造形に向くものに関しては、当店の講座を受講していただければ理解できるでしょう。左官ごてについても同様です。
カービングのツールなどもプロ仕様のオリジナル商品が沢山ございます。

モルタル造形使うツール

モルタル造形のプロになるための講座

当店「モルタル造形.com」では、需要が増えているにもかかわらず、施工できる人材が少ないモルタル職人としての知識と技術を身に付けられる、6日間の集中講座を開催しています。DIYの域を超越した、プロとして独立するための講座です。

現在はほかの分野で働いているけれども、将来は自分の手で新たなことにチャレンジしたいと考えている方、また、すでに外壁塗装や左官の技術をお持ちの方で新しい技術を身に付けたいと考えている方など、志の高い方にぜひとも受けていただきたい講習。それが「モルタル造形講習会MAS」です。

 講師は国内外で現場経験を積み重ねるプロ

講習会の講師は、日本国内のみならず、海外でも活躍しているオーナーの山本が担当します。プロのモルタル造形は、安全が確保されたうえで、依頼者の要望どおりに仕上げなければなりません。
いい加減な施工では、すぐにボロが出ます。現在、モルタル造形の体験会なども開かれているようですが、そのやり方はプロのやり方ではありません。

講習会場は専用のアトリエ

講習が行われる会場は、モルタル造形があふれる専用のアトリエです。アトリエにはテーマパークのような雰囲気が漂い、受講生はその本格的な環境に、最初は圧倒されてしまうかもしれません。

テキスト付き

モルタル講習会MASでは、テキストを使いながら知識や技術を自分のものにしていきます。塗装や左官作業の経験がない方でもわかりやすいように、なるべく難しい専門用語を使わずにテキストを構成しています。

実技2回、塗装2

モルタル造形の実技は、1日目と4日目の2回、塗装の実技は3日目と6日目の2回です。すでにご説明したように、モルタル造形では、モルタルを乾燥させる工程があります。そのため、6日間の日程でも、実際に実技に費やせる時間は限られます。ただ、時間は、もちろん無駄にしません。将来のビジネスに役立てられるデザインについての講習を用意しておりますので、いっしょにがんばりましょう。
 

ビジネスとしてのモルタル造形

この講座は、モルタル造形でビジネスをするための講習です。そのため、5日目は丸一日、ビジネスに割いています。これまでに培ってきたモルタル造形ビジネスのノウハウを知ってこそ、造形の知識や技術が生かせるというものです。
 

国際モルタル造形協会認定スクール

ビジネスとしてのモルタル造形を教えられるのは、国際モルタル造形協会認定スクールだからこそ。講習を経て独立した場合、協会の認定施工店への道も開けます。

正しいモルタル造形を教えるスクール

最後に

モルタル造形について、詳しくご紹介してきましたがいかがでしたか?テーマパークや遊園地などで見かけるモルタル造形は、一般住宅や店舗にも取り入れられるようになってきています。DIYブームの影響もあり、モルタル造形は一般的にも知られるようになってきましたが、プロとしては、安全が軽視された造形物や、モルタル造形に関わるいい加減な知識が広まることを憂慮しています。プロを育成するための講座を開いているのも、大きな可能性があるこのビジネスを、多くの人に信頼してもらえるビジネスとして育て上げたいという気持ちがあるからです。モルタル造形で、新たな世界を切り開いてみませんか?


ラインナップ